イングランド代表DFジョン・テリーが、FA(イングランド・サッカー協会)から代表主将の座を剥奪された件において、イングランドでは様々な反応が起こっている。
テリーが所属するチェルシーは、今回のFAの判断に不服を唱えており、指揮官であるアンドレ・ビラス=ボアスは以下のように語っている。
「私はジョンと話した。失望していたよ。しかし、彼は素晴らしい精神力をもっている。苦しいが、前に進まなければならない」
「我々は今回の決定に賛成していない。ジョンは我々のキャプテンだ。我々は主張を曲げたりはしない」
また、かつてチェルシーでコーチを務めたレイ・ウィルキンスもテリーに同情を示し、FAの決定に失望したとコメントした。
「そのニュースを聞いて悲しくなったよ。まるでテリーが犯罪者であるかのようだ。彼はまだ判決を受けていないのにもかかわらずだよ」
イングランド代表のファビオ・カペッロ監督も、ウィルキンスと同じスタンスのようだ。イギリス『BBC』によると、彼もまたテリーは推定無罪の立場にあり、起訴されていようとキャプテンに選ばれない理由はないと主張しているという。
しかし、テリーの支持者は少ない。FAの幹部の大半はテリーの代表主将に反対していたとされ、うち数人は、FAが人種差別に対し毅然とした態度をとり、決してひるんではならないと強く主張したとされている。
さらに、スポーツ大臣のヒュー・ロバートソン氏は、テリーがキャプテンを続行することは不可能だとし、FAの決定に理解を示している。
「FAの決定を大いに支持する。このような非難を受けて、テリーがキャプテンを続行することは不可能だ」
プロフットボール協会も、以下のような声明を発表し、テリーの代表主将解任に理解を示した。
「我々はFAがこのような決定を下した理由を尊重する。この決定により、我々はユーロに向け集中できることを望んでいる」
このプロフットボール選手協会の意思に大きく影響したとされるのがイングランドの黒人選手たちだ。彼らはテリーにより厳しい態度をとるよう促したとされている。彼らの主張がFAの今回の決定を後押ししたことは間違いない。
賛否が分かれている今回の出来事は、今後も議論が続くこととなりそうだ。
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