ジョゼ・モウリーニョ監督の訴えもむなしく、レアル・マドリーの本拠地サンチャゴ・ベルナベウは静寂を保っている。
モウリーニョ監督は、ベルナベウのマドリディスタに対し、再三にわたりチームを後押しするよう求めてきた。18日のリーガ第28節マラガ戦(1-1)の前日会見では、「間違いを犯したり、パスミスをした時にこそファンの愛情が必要だ。私はこれからも、その愛情と共感を求め続ける」と語り、試合でのマドリディスタの反応に注目が集まっていた。
だが、ほぼ満員となったマラガ戦でも、マドリディスタの佇まいに変化はなかった。ゴール、選手交代の際には席を立ち上がって喝采を浴びせるも、プレー中はざわめき立つだけでチームを鼓舞せず。チームがミスを犯した際には、通常通りブーイングが吹かれた。マラガが試合を支配した開始から30分間は、沈黙という表現がぴったりだった。
試合を通して応援を続けたのは、モウリーニョ監督が「彼らがいなければ、スタジアムは空っぽだと感じただろう」とコメントしたこともある、南スタンドのウルトラス(応援グループ)のみ。さらにマラガMFサンティ・カソルラが後半ロスタイムに同点ゴールを決めた際には、すでに1万人ほどのマドリディスタがベルナベウを後にしていた。
ベルナベウが静寂のスタジアムとされるようになったのは、モウリーニョ監督の就任以前からだ。フロレンティーノ・ペレス会長が第一次銀河系軍団を築いた時期に、集客ターゲットがマドリッド市民から観光客に変わり、チケット価格が高騰したことが要因とされる。またソシオの平均年齢層の高齢化も、熱狂の欠如に拍車をかけている。
モウリーニョ監督の訴えもあり、マドリーは4月4日に行われるチャンピオンズリーグ準々決勝セカンドレグのアポエル戦のチケット価格を、通常60~220ユーロであるところ30~175ユーロ(ソシオ価格18~105ユーロ)に引き下げている。
(Goal.com)
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